|視線のなにがすごいの?
わたしたちヒトには5感がそなわっています。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、の5つです。
これら5感のなかでも、視覚は、ヒトが外界から受けとる情報の8割を占めているそうです。
じっさい、わたしたちの生活のほとんどは「見る」ことばかりでなりたっています。
スマホを見たり、テレビを見たり、ポスターを見たり、商品を見たり…。
情報のほとんどはそのスピードの速さと量の多さで「視覚脳」にストレスをかけるものが多く、反対に、とくに目的もなく、のんびりとヒトや風景をながめるような時間がすくなくなっているような気がしています。
「風景が醜くなったら女性は子供を産まなくなる」というようなことを言ったのはニーチェだったか太宰治だったか忘れてしまいましたけれど、視覚がわたしたちの体全体にあたえる効果にはすごいものがあるのかもしれません。
すばらしい絵画もセクシーな絵も、それぞれがユニークな「快感」をもたらしてくれます。
そんなに大切な、5感の大部分を支配しているような感覚なのですから、もしも、だれかの視線をほんのすこしのあいだあなたのほうへ向けさせることができたら、その相手の方の頭のなかでも何かが起こることはまちがいありません。
あなたを見ることで、相手の方の「脳」は刺激を受けたのですから。
では、もしも、好きな人の視線をほんのすこしのあいだ自分のほうに向けさせることができたら…。
そのためには相手の方にドキドキワクワクするような刺激をあたえてあげればいいわけです。
見ることは、知ることです。
だからこそ「視線」は大切なのです。
好きな人の気をひいて心を射止めるための最強の秘密兵器になるのです。
相手の視線にこたえたり、その視線をかわしたり、からめとったり、無視したり、うけとったりすることで、あなたは相手の方の心をすらあやつることができるようになります。
ひとことも話さないまま…。
しかも、ここでお教えするテクニックは、女性にも男性にも共通して使えるものです。
| 目を合わせるとなにが起こるの?
たとえば海外のウェブサイト上にある「アイコンタクト(相手と目を合わせること)」についての記事にはこんな情報がありました。
1分間、相手の方と目を合わせつづけると、脳がフェニルエチルアミンを作りだすのだそうです。フェニルエチルアミンは、快感と多幸感をもたらす愛のホルモンとして知られるドーパミンの放出を刺激してくれる天然のアンフェタミン(俗には「覚醒剤」としても知られています)だということです。
そのため、見つめ合っているだけで、快感をおぼえるようになり、早まる鼓動の感覚は、まるで雲の上を飛んでいるかのような気分にさせてくれるのだそうです。
つまり、視線を合わせているだけで自分の脳が覚醒剤を作りだすことができるらしいのです。
おまけに夢見心地の世界へ連れていってくれるというのですから、なんともありがたい話ではないでしょうか。
もしくは、あまりにも出来すぎた話かもしれません。
そもそも相手の方と、1分間にもおよぶ長い時間、じっと見つめ合うなんていうことができるのでしょうか。
にらめっこでしたら話は別ですけれど…。
そんなことができる、という時点で、すでにその2人は親しい友人同士か恋人同士のはずです。
つまり、いま、ここで、相手の心を奪うための視線テクニックを学ぶ必要のない方たちだとおもいます。
| 目を合わせることの大切さは?
目は心の窓。目は口ほどに物を言う。百聞は一見にしかず。
目を合わせることで見えてくるものがあります。
あなたの視線が、相手の方にどんなインパクトをあたえるのか、知りたいとおもいませんか?
まず、その前に、相手の方の目を見ることで、なにが起こるのか、考えてみましょう。
①あなたの存在を相手につたえることができる。
相手の方の目を見る、ということで、あなたが目の前にいるということを、はっきりとその方に認識させることができます。
②あなたの関心を相手につたえることができる。
あなたがその方に興味を抱いているということを教えることができます。けれども、まだ相手のことをあまりよく知らない段階では、もしかしたら危険な行為になるかもしれません。
③ちゃんと相手の目を見ることで信頼を得ることができる。
あなたと目を合わせたということで、相手の方は自分に自信をもつことができるでしょうし、それがお互いへの信頼にもつながります。
④相手の方は自分が必要とされていると感じることができる。
それがどういう目的なのかはわからないでしょうけれど、相手の方は、あなたが見てあげることで、自分がなんらかのかたちで必要とされているのではないかと感じることができるはずです。
⑤セクシーな欲求をほのめかすことができる。
相手の方と視線を交わすことで、ひとことも話さなくても、あなたがなにを欲しがっているのか、それとなく相手の方につたえることができます。
| 視線のダンスで心を奪うには?
①わたしが知りたいあなた
わたしたちはだれかと向かい合って話しているとき、相手の方の両目を同時に見つめるクセがありますが、それはやめましょう。そういう視線は、にらみつけているように感じられたり、怒っているように見えたり、ふてくされているかのように誤解されたり、不気味なストーカーにかんちがいされたりするかもしれません。
両目を見つめるかわりに、相手の方のお顔を見つめるときは、かならず片方の目だけを見るようにしましょう。とくに、ちょっとことばが途切れたときなど、うなずいたり、ほほえんだりしながら、ゆっくりともう一方の目を見るようにします。それを交互にくりかえすのです。
ゆっくりと視線を移動させるのがむつかしい、と感じられた方は、ひとつの目からもういっぽうの目へうつるときに「まばたき」をしてみるのもいいかもしれません。
たとえば、左目を見つめる ➡︎ まばたき ➡︎ 右目を見つめる ➡︎ まばたき ➡︎ ふたたび左目を見る。
このとき、まばたきは、できるかぎり、ゆっくりと。
そのあと、どこか別のところへ目をそらしてください。いつも同じ場所へ目をそらしてはいけません。だれかほかの人を見ているのでは、とか、そこになにか気になることでもあるのだろうか、と疑われるおそれがあるからです。
なにげなく宙のどこかへ視線をさまよわせたあと、ふたたび視線をもどして、このテクニックをくりかえしましょう。
たとえば、縦にしたスマホを手にもって、その左端と右端をかわるがわる見つめる練習をしてみるのもいいでしょう。
スマホの幅はだいたいヒトの瞳と瞳の幅に近いものが多いので練習台になりやすいのです。
②わたしの想いを教えてあげる
片方の目からもう一方の目へ、ゆっくりと自然に視線を移動させ、ふたたび、もとの目へもどってくることを、くりかえしできるようになったら次のテクニックをお試しください。
右目と左目をかわるがわる見つめる速度を、ほんのすこし、早めてみるのです。
そうすることで、相手の方に、いまにもあふれそうな想いのせいで、あなたの心が乱れてふるえているのではないかというような、そんな印象をあたえることができます。
でも、このスピードアップは、せいぜい3秒間くらいで終わりにしなければいけません。
このあとは、はじらいがち(男性でしたら、ためらいがち)に下のほうへ目をそらしましょう。
そうすることで相手の方にあなたを見つめる時間の余裕をあたえることができます。
それに、あなたの目も疲れてしまうでしょうし。
右目、左目、いち、に、さん、し、と視線を動かしたあと、伏し目になって、終わりです。
このテクニックを使うときには話してはいけません。
ひとこともしゃべらないまま、わずか3秒間で相手の心をかき乱すことのできる、かなり強力な視線テクニックです。
③あなたはわたしの大切な人
三角法、という視線テクニックは、みなさんもどこかで目にしたことがあるかとおもいます。
たとえば、右目、左目、くちびる、というふうに、相手のお顔のなかの3ヶ所を、ゆっくりと視線でなぞっていく方法です。
逆三角形のかたちに視線をうごかしていくのです。
ここでも「まばたき」が使えます。
右目 ➡︎ 左目 ➡︎ まばたき ➡︎ くちびる ➡︎ まばたき ➡︎ 右目、というふうに。
ほんとうにゆっくりと、楽に、自然に、を心がけるようにしましょう。
このテクニックを使うと、相手の方は、あなたにかなり気に入られているはずだ、という自信と自覚をもつようになります。
そして、あなたの視線のうごきを追いながら、ますますドキドキ感を強めているはずです。
④わたしが欲しがっているもの
この三角法をアレンジしたものに、V字法があります。
右目からくちびる、くちびるから左目、左目から右目、をゆっくりとくりかえす方法です。
相手の方は、もしかしたらキスを欲しがっているのでは、とか、キスしたがっているのでは、と誤解して、ドキッとするかもしれません。
ちょっぴり小悪魔的なあなたを演出するつもりなら、ほんのすこし小首をかしげたまま、このV字法をためしてみてください。
なにを欲しがっているのかわからないけれども、なんとなく夢見心地なあなたを演出したいときには、ほおづえをついて、この視線テクニックをためしてみるのもいいかもしれません。
男性でしたら、自分の唇にさりげなく「こぶし」を押しつけてみるのもいいでしょう。
⑤あなたの心をわたしの恋のナイフで
見つめるのとおなじように、目をそらすことも、とても大切なテクニックのひとつです。
目をそらすことで、相手の方の視線をこちらへ向けさせることができるからです。
相手の方に、あなたを見つめる時間を与えるために、目をそらすのです。
あなたが伏し目がちに自分の手もとを見つめているとき、相手の方はあなたのお顔や体を自由に観察する時間をもてるようになります。
相手の視線にすべてをゆだねてみましょう。相手の方にあなたを見つめる時間をあげましょう。
これは「じらし」のテクニックでもあります。
相手の心を奪う直前の、まさに「嵐の前の静けさ」みたいなものです。
とはいっても、伏し目から、そのまま目をあげて、ふたたび相手の方を見つめてはいけません。
あまりにもとつぜんすぎるからです。
急な視線の動きは相手の方をおどろかせてしまいます。
たとえば、カフェやレストランで向かい合って腰かけているときには、自分の手もとのカップやお皿から相手の方のカップやお皿に視線をすべらせて、そこに3秒間、目をとめておきます。
それから、ようやく、ハッとまぶたをあげて相手の方を見つめるのです。
おさらいをします。
①見つめていた目を自分の手もとへ落とします。
②つぎに、ほんの3秒間、相手の方の手もとあたりを見ます。
③それから、ゆっくりとまつげをあげていって、相手の方のどちらか一方の目を見つめます。
つまり、はじらいがち(男性でしたら、ためらいがち)に目を伏せたあなたが、ためらいがち(男性でしたら、悩ましげ)に半分ほどまぶたをひらき、それからゆっくりとまつ毛をあげて、はっきりとした熱い想いをこめてこっちを見つめてくれた、と相手に感じさせることのできる演出が、これなのです。
ここで「まばたき」を取り入れると、さらに効果があがります。
相手の方をドキッとさせることができるはずです。
たとえば、自分の手もと ➡︎ 相手の手もと ➡︎ まばたき ➡︎ 相手の方のどちらかいっぽうの目、というふうに。
おしまいの、ゆっくりまつ毛をあげて相手の方を見つめるときに、ほんのわずか小首をかしげてみると、ますます『恋の視線ナイフ』の効き目が強くなるかもしれません。
⑥流し目はいつ使えばいいの?
英語で「sidelong glance」と呼ばれる、あまりにも有名な「流し目」テクニックは、ちょっと下手をするとイジワルっぽく見えたり、相手を拒否しているように見えたりもします。
男性の場合でも、それは変わりません。
しかも、流し目が使えるのは、だいたい相手の方との距離が2メートルから、せいぜい5メートルまでのあいだですから、パーティや、教室やオフィス、あるいは道路ですれちがう瞬間や、人ごみのなかでしか使えません。
下手に使って、好みでもない人に、自分に気があるのでは、と誤解されるのも危険ですし。
流し目のむつかしさは、それだけでは効果が薄いということにあります。
流し目を使うときには、微笑や、首の角度や、顔の向きなど、そのほかのことにも同時に気を配らなくてはいけません。
ですから、今回は、どなたでも、いますぐにできる基本的な視線テクニックをご紹介しました。
ぜひ、お試しになってください。
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歌の解説のかわりに、それぞれ、歌が生まれるきっかけとなった出来事が描かれています。
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