子乗せ電動アシスト自転車の未来は電チャリジェネレーション
- 香月葉子
- 6 日前
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更新日:1 日前
その昔、チャイルドシートに腰かけてふんぞりかえっていた子供たちは、みんな電チャリ・ジェネレーションの一員です。
子乗せ電チャリのシートからママやパパの背中をながめて育った新世代の子供たちです。
かつてはチビ姫・チビ殿たちでした。

30代の子育て世代のほぼ4人に1人が乗っていると報告されていることもあり、意識することもなく意識されることもなく大都会の日々の生活のなかに溶けこんでいる子乗せ電動アシスト自転車。
それでもよく見ると、背もたれとヘッドレストは一体化していて、まるでF1レーシングカーのコクピットさながら。
チビ姫・チビ殿たちの体がむやみに揺れたりズレたりしないための配慮です。
透明なレインカバーをつけているのもあります。
またUVケアのためのサンシェードに守られているチビ姫・チビ殿がいます。
風通しのよいメッシュのものまであって、真夏の歩行者にとっては、ほんとうにうらやましいかぎりでしょう。

飲み物をおけるボトルゲージまで売られているのですから、リムジンとまではいきませんけれど、じわじわと高級送迎車に近づいていることはまちがいありません。
メーカーの広告用写真をご覧になってください。
子供たちのふんいきはといえば、まさに高級車の後部座席でふんぞりかえっている社長さんというか・・・チビCEOというか・・・いえ、やはり大名駕籠(だいみょうかご)のなかに御座します(おはします)チビ姫・チビ殿そのものです。
スマホホルダーも売られるようになっているので、そのうち、チャイルドシートでふんぞりかえってゲームに興じている社長、いえ、チビ姫・チビ殿の姿を見ることになるかもしれません。
もちろんママやパパにヘルメットをつけさせられるときにはダダをこねる子だっているでしょう。

けれども、いったんチャイルドシートにのせられ、ぎゅっと安全ベルトを締められ、開閉式のフロントバーをカチッとはめられると、子供たちはもうみんな社長さん、いえ、チビ姫・チビ殿に大変身。
そのときの子供たちのあのなんとも怪しげな嬉しそうなほほえみに気づいているママやパパたちは何人いるでしょうか?
でも出発の準備で忙しいママやパパたちはそんな彼らの表情を観察するひますらありません。
そうやって愛されてきた彼らが大人になったとき、そんなママやパパの背中をふいに思い出すときがあるのかもしれません。
大雨のなか、強い向かい風のなか、寒風のなか、そして真夏の太陽の下、たんたんとペダルをまわして巧みな重心移動でカーブを曲がっていくママやパパの後ろ姿。
桜の花びらが散るなか、金木犀の香りが流れてくる道、遮断棒のあがった踏切、ラーメン店からただよってくる匂い、焼き鳥屋さんからの匂い、イタリアンレストランや牛丼屋さんから流れてくるおいしそうな匂い、急な坂道、枯葉の舞い散る公園のわき、そして排気ガスのなか、広々した交差点と横断歩道を走りぬけ、ガードレールの暗がりをくぐりぬけてゆくママやパパの後ろ姿。
その思い出とともに育ち、その思い出を胸に秘めた子供たちが大人になってきました。
かつてチビ姫・チビ殿だった彼らも、いまや電チャリ・ジェネレーションの一員。
サステナブルな社会をつくりあげてゆく世代のひとりなのです。

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