香月葉子

不動産投資で大金持ちになった男と結婚した女がニューヨークからやってきた。スーツケースに家族問題を詰めこんで。

悲しい出来事を美しい思い出に変えることができるのも愛の力だとおもいます。忘れられないクリスマスイブでした。

どうしてこんなことに？　道の選び方ひとつで、ロマンス映画がとつぜんホラー映画に変わったみたいな状況に…。

メキシコのハロウィン『死者の日』パーティに招かれたわたしは、骸骨メイクの人たちに囲まれてテキーラを勧められ…。

彼は日本人とドイツ人の血の混じったミュージシャン。その体にはふたつの救いのタトゥーが入っていた…。

彼女はアフリカの女王をおもわせる風格と気高さを備えていたが、両親不在の家族の前では独裁的な毒母に変貌して…？

「へんてこ村」と呼ばれていたカリフォルニア州バークレー市。マリファナとホームレスと奇人変人たちとの日常は…。

『仙人』みたいな留学生だった。父親が中国革命政府に殺されたあと、母親は裕福な英国人と再婚。その母親がじつは…。

見ず知らずのわたしに『ゴッドファーザー』の原作者マリオ・プーゾの『愚者は死す』を貸してくれたベトナム帰還兵の読書家とは？

はじめてアメリカへ渡ったとき、片道航空券で搭乗した旅客機のなかで、ひとりの海兵隊員と出会って…。

ナパで聴講生をしていたころ、片道4キロを徒歩で通っていました。そのとき、いまにも落ちそうな橋を渡って見たものは？

私費留学生リノの新妻クラウディアは同性から見てもセクシーだったが…彼女にはある秘密があった。

あのとき、何がわたしたちに起こったか？ カリフォルニアで1週間のモーテル生活を送ったときの出来事が…。

南米出身のローラと知り合ったのは、マリファナを巻くための『ZIG-ZAG』ペーパーを買いにいく途中だった。

深夜0時をすぎてシカゴでタクシーをひろったら、それまで遭遇したことのない、怖い、哀しい、素敵な運転手だった。

バークレーからワインカントリーのナパへ引っ越した日、わたしが見たのは不気味な色に染まった真昼の夕焼けだった。

たんに日本人だからという理由で誘われたのだろうか。わたしは彼女のことばに甘えて優雅な孤独を味わうことになった。

ナパカレッジで働いていたアイリーンは幸福そのものだった。けれども彼女が間借りしていた家の持ち主の息子が…。

その猫を見つけたとき、長い毛はところどころ固まり、体中ノミだらけで、耳の奥には寄生虫がびっしり張りついていた。

中近東料理のお店で出会った元ヘビー級ボクシングの世界王者はすでにパーキンソン病に侵されつつあった…。